突然、「お宅の屋根を見てみてください。」と言われて、実際見えるでしょうか?
屋根は、ご自身では簡単に見ることが出来ません。そこにつけ込んだ悪質な業者が存在します。
このコラムをお読みの方が、そんなトラブルに巻き込まれることがないよう、代表的な悪徳商法について、その手口と見極めのポイントなどをお伝えします。
「いま、この地域を無料点検して回っているんです」などと言って訪問してくる商法です。さも親切な印象ですが、実際はその後の契約が目的であることは想像がつくと思います。点検後に「このままだと雨漏りが起こりますよ」「屋根がずれている。このまま放っておくと腐って潰れてしまいますよ」と不安をあおり、工事を急かし、すぐに契約を結ばせようとします。その後、更に別の箇所にも修繕するべき場所があると言って次々に工事の範囲が広がり、最終的に多額の料金を請求されることもあります。
「モデル工事として、通常の半額で屋根工事をしますよ」などと言って営業してくる業者です。「モデル工事の募集枠は残り僅かなので、急ぎましょう」などと契約を急がせようとしてきますが、実際はモデル工事の募集枠などありません。工事費に関しても通常の料金よりも予めかなり割高に設定しておき、そこからの値引きを行うことで、業者は結果的に儲かるという仕組みです。
業者が訪問してきて「屋根の修理が火災保険を使えば無料でできます」などと言われて契約したものの、解約しようとしたら解約金として保険金の50%を請求されたり、実際は火災保険が適用されなかったり、ひどい場合は業者が人為的にこっそり瓦をずらすなどして保険金を請求するなど、知らない間に詐欺の片棒を担がされてしまうというケースもあります。実際、消費者センターにも火災保険トラブルに関して寄せられる相談が急増していますので、充分に注意する必要があります。
※もちろん、条件がそろえば火災保険は適用されますし、大変頼もしく、頼るべき保険と言えます。問題は悪徳な業者によって結果的に通常の何倍もの料金を請求されたり、保険金のほとんどを手数料として取られてしまったり、知らない間に詐欺行為をさせられているといったところにあります。信頼できる良心的な業者のもと、適切に保険を使って工事を行えば問題はありません。
悪徳な訪問販売によるトラブルは後を絶ちません。
悪徳業者が良く使うキーワードは「無料」「割引」「サービス」です。「無料で点検します」「いま契約したら割り引きます」「ここは一式サービスします」のような言い回しで、実際は定価が通常の数倍であることが大半です。結果的に、割引やサービスを行っても充分に業者は儲けが出るようになっています。